あなたは中古マンションを選ぶ時に物件の場所や価格、間取りに注目しますよね。
検討者は、一般的にはそのような人が多いですし、それは間違いではありません。
でも、実際に購入検討段階の物件ではもひとつ大切なチェックポイントがあります。
それはそのマンションの管理状況です。
特にお金に関する管理費・修繕積立金の徴収状況はその物件の資産価値にも影響を及ぼすことになりますので、とても重要な要素です。
今回はあなたの気になる物件が損をしないように、この管理状況のチェックポイントなどお伝えします。
1.管理費の運用状態をチェック
管理費はマンション維持運用の血液です。
人間も血が止まれば死んでしまいます。
マンション管理は管理会社が全て運営していると思われがちですが、実際は入居者が全体の管理組合の主体となって行います。
管理会社はただ単に、委託された業者に過ぎません。
区分所有者から集めた管理費や修繕積立を管理組合の口座に入れて、実際にどこにどう使うのかを組合の皆様で決めるわけです。
当然、収入より、支出が増えれば赤字になります。
ずさんな管理をしていれば、管理会社にいい値で業務を委託することにもなりますので、入居者様が意識して目を光らせることが必要です。
2.管理費延滞金には時効がある
そこで問題になってくるのが、管理費・修繕費の滞納です。
滞納者がいれば、当然、催促をしてゆくわけですが、最初は個別訪問や内容証明郵便を送るなどします。
もしも、それでも支払われない場合は訴訟という方法になります。
管理組合が法人化されていれば法人が訴訟の原告になれます。
でも法人化されていない場合は、組合の理事長が原告になるなどのハードルが上がる為、すんなりといかないケースが多くなります。
しかも、滞納された管理費修繕費は5年で時効になります。
そうなると例えば8年間滞納されたものが5年後に発覚した場合既に、5年分は徴収できません。
従って5年経過する前に何らかの手を打つことが必要になります。
これらを放置してゆくと払わなくてもいいという事実がまわりに広がり連鎖を引き寄せることになります。
そして、管理会社への支払いがなされなければ、管理会社も当然清掃作業や補修工事などの業務を行わなくなります。
そうすると廃墟マンションへの道をたどることになります。
3.まとめ
建物のあちらこちらに不具合が生じたり、清掃が行き届かなくなれば、マンションを離れる人も増えることになりますし、居住する人もなくなります。
中古マンションを取扱っていると、どこのマンションも延滞金が0円というマンションはほとんどなく、規模にもよりますが数十万円から100万円程度の延滞金はあります。
決して良いことではありませんが、多少の金額は付き物だとしても、著しい金額はきちんと管理組合に状況を訪ねて見る事も必要だと思います。
そして、大切なことはそれらの行為を見て見ぬふりをせずに適切な対処をするということです。
もしも気になる物件があり、価格や間取りなどの諸条件がマッチしたならば、次は「重要事項調査報告書」という書類をチェックしてください。
これは、管理会社が発行している書類で、そのマンションの管理状況を示すもので、特に管理費などのお金に関するものを調べることができます。
あまりにも、延滞金が多くあったり、大規模修繕工事も行っていないのに修繕積立金が集まっていない場合は要注意です。