古い中古マンションは建て替えができるのか?と疑問に思ったことないですか?
建て替えはの手続きは大変だと思っている人も多いと思います。
実は建て替えができる物件には共通点があります。
この共通点が理解していると、古いマンションの検討方法も分かるのですが、これを知らないで損をしている人も多くいます。
そこで今回は中古マンションの建て替えについて解説していきます。
この記事を読むことで、古いマンションの建て替え問題についてわかります。
◇建て替えができる中古マンションは稀である
具体的に本当に建て替えが難しいのかという疑問が湧いてきますので、今回の中古マンションの建て替えについて解説していきます。
1.そもそも何故建て替えが必要なのか!?
マンションは100年コンクリート住宅なんて聞いたことがあると思います。
ただ、人間だけでなくコンクリートも当然経年劣化があります。
最近の地震発生が頻繁に起きている中で、建て替えの最大目的としては、やはり耐震性能UPです。
国土交通省では、60年を建て替え基準としていますが、築年数40年位から建て替えの話が出てくるようです。
コンクリートの耐用年数は47年という数字を目にしたことがあります。
これは、税法上の建物の価値算定であり47年過ぎると住めなくなるということではありません。
あるいは、コンクリートの寿命は107年(国土交通省)という数字も目にします。
これも物理的なコンクリートの寿命という定義ですが、日本ではまだ例がありません。
ただ、海外では普通に100年近くのマンションは存在していますし、日本でも木造で100年の建物は実在するので、全く検討外の話ではありません。
マンションは、大規模修繕工事を12~15年に一度の周期で行う計画を立てていますので、しっかりとメンテナンスを施した物件は必ずしも建て替えの対象物件にはなりずらいと思います。
2.建て替えはなかなか進まない理由
マンションを建て替える場合は先ず、入居者の同意が必要になります。
ここで、1番目のハードルとなる訳ですが、全世帯の4/5の賛成が必要になります。
何故、反対者が出るかというと、当然ですが費用負担の問題が出てきます。
修繕積立金を積み立てしているかもしれませんが、時期にもよりますが、建て替え金を賄いきることはできません。
しかも、厳密には修繕積立金で建て替え工事を行ってはいけない管理規約もありますで、そこは確認が必要です。
マンション規模にもよりますが、解体工事費+建て替え費用で約1800万円/戸と言われています。
そこに仮住まいの引越し代や賃貸住宅費の負担を考えると2000万円/戸という金額になります。
恐らく、築年30~40年の話ですので、住宅ローンは終わりを迎える方々だとは思いますが、イコール年齢も高齢の方が多いと思います。
その人達に対して先程の金額の負担は現実的ではないということです。
但し、中には費用負担をしないで建て替えが可能になる物件もあります。
2-1建て替え可能なケース
それは、昔のマンションで建ぺい率、容積率を満たしていないで建てたマンションや、規制緩和によって現在のマンションよりも高層になる場合は戸数が増えることなります。
例えば、総戸数50戸だったマンションが建て替えによって100戸のマンションになれば、残りの50戸を分譲して資金回収が出来ると費用負担が限りなく現実的な数字になってきます。
実際に都心のマンションですが、そんな事例もあります。
たまに新築マンションの価格表に非分譲なんて表記の部屋がありますが、そんな部屋はもともとの地権者の場合が多いです。
2-2建て替え不可能なケース
普通に考えてただでさえ建て替えは難しいのですが、逆に戸数を減らさなくてはいけないマンションもあります。
「既存不適格物件」といい、建築時は旧法律の基準で合法的に建てられたものの、その後法改正や都市計画変更により現在の法律に対して不適格な部分が生じた建築物を言います。
3~40年前の建築当時にはOKであった法律基準が法改正によって現在では容積率オーバーとなってしまったケースです。
例えば、8階建てを建て替えた場合に7階建てに変更しなくてはならないという事態になるわけです。
こうなるともう、現実問題建て替えは困難となります。
3.まとめ
上記の理由で建て替えはなかなか厳しいのが現実です。
これから中古マンションを検討している方で特に古いマンションの場合はこの点は注意が必要になります。
建て替えの話が出ている場合はその現実性を確認しましょう。
また、重要事項調査報告書というそのマンションの管理状況が記載されている書類が管理会社から発行されます。
そこには、大規模修繕工事の履歴やメンテナンス履歴、管理費・修繕積立金の収支状況も記載されています。
マンションの成績表のようなものです。
購入時にはしっかりと確認しましょう。