不動産の図面で「壁芯面積」と「内法面積」は何が違うと感じたことないですか?
違いがわからないという人も多いと思います。
実は面積の表示方法には用途によって違いがあるんです。
この違いが分かれば考えやすいのですが、これを知らずに損をしている人も多いです。
そこで今回は壁芯面積と内法面積の違いについて解説していきます。
今回この記事を読むことで、壁芯面積と内法面積の違いとその使用用途についてわかります。
◇住宅ローン減税は内法面積で決まる
具体的に本当に住宅ローン減税は壁芯面積が必要かという疑問がわいてきますね!
それでは、今回の壁芯面積・内法面積について解説いていきます。
1.壁芯面積と内法面積の違い
壁芯面積とは壁芯距離⇒壁厚中心から壁厚中心までの距離を表す。
つまり、壁の厚みや、柱部分の面積が含まれるので実際の面積より大きく表記されます。
特にコンクリートや柱の厚い建物は実際の大きさとギャップが大きくなります。
内法面積とは壁の内側から内側までの距離⇒実際のお部屋の広さを表す。
不動産検討者の立場に立って考えれば、目に見えていている実際に使える面積が必要と考えます。
ただ、現実の販売図面には壁芯面積で表記されているのが実状です。
これらのことから、壁芯面積と内法面積では内法面積の方が実際の広さは約5~10%少なくなります。
例えば、60㎡のお部屋だと55㎡前後くらいになります。
2.壁芯面積
マンションの場合、壁芯面積は販売図面以外ではほとんど目にすることはありません。
壁の中心線をの「芯」が問題になるのは、主に建築設計業務の場合となるからです。
例えば、構造設計では柱や壁の中心または中心線で計算します。
また、マンションの広告はほとんど壁芯面積で表記されていますがこれは、新築時には内法面積がわからないとう理由もあります。
検討の際には、中古も含めてマンションの場合主に壁芯面積で表示されています。
販売図面に「壁芯面積」とあればわかりますが、案内のない場合必ず確認しましょう。
3.内法面積
内法面積は実際に目に見える範囲で考えた広さとなります。
先程と同様で不動産取引では実際の広さが問題になることから、購入後は基本的には内法面積で物事を考えます。
一番重要なのが住宅ローン減税です。
住宅ローン減税は内法面積で原則50㎡以上(40㎡以上の有り)となっております。
つまり、壁芯面積で50㎡でも、実際の内法面積で47㎡なってしまうのです。
そうなると当然ですが住宅ローン減税は適応外となります。
ここがミソで、通常不動産会社の図面は、ほぼ壁芯面積で表記されています。
そのままの㎡の数字を鵜呑みにして、購入後、実際には住宅ローン減税が受けられないケースがありますので要注意です。
その他、登記簿面積、登録免許税の減税など基本的には内法面積で表記されます。
そう考えると、壁芯面積を見るのは不動産会社の販売図面くらいではないか?といった感じです。
ちなみに住宅ローンの利用時の火災保険も概ね、専有面積は内法面積となっていますので、内法面積が床面積となります。
つまり、購入後は住宅ローン減税を含めて内法面積でのやり取りがメインになります。
4.販売時のマンションの広告はほとんど壁芯面積
不動産の広告のルールで「不動産の表示に関する公正競争規約」があります。
ただ、ここには「壁芯面積」と「内法面積」のどちらかを記載しなければいけないという明確な記載がありません。
そうなると、不動産会社的には大きく表示できる壁芯面積を使用することになります。
例えば、同じ物件をいくつかの不動産会社が広告掲載した場合、一方が内法面積だと小さく感じさせてしまうので不利になってしまいます。
ただ、これは、お客様にとっても紛らわしいと感じると思いますのでどちらにした方がいいと思います。
あと、余談ですが、図面上でも表記方法でもイメージと実際の広さが変わってきます。
リビングの畳数表記でキッチンまで含めた場合も実際のリビングとしての有効面積は異なりますので注意が必要です。
この場合の実際のリビングの広さは隣りの6帖の洋室と比較すると7帖程度となります。
この表記方法も不動産会社によって異なります。
リビングダイニングキッチンで11.4帖と表記する会社もあれば、リビングダイニング8.4帖キッチン3帖と表記する会社もあります。
どちらが良い悪いではないにしても、感じ方が変わってくるのが現実ですので注意してみましょう。
5.まとめ
今回は壁芯面積・内法面積について解説しました。
使い方としては、購入前までほとんど壁芯面積で表記され、購入後は内法面積が必要となるとの理解でいいかと思います。
特に、住宅ローン減税は内法面積が必要と必ず理解してください。
ここは、購入後のお金に関わることなので特に重要です。
トラブル防止の為、検討時の不動産会社とのやり取りの最中でも案内の無い場合はどちらなのかを確認しながら検討しましょう。