マンション契約後に手付金は戻るのかと考えたことはないですか?
契約してやっぱり・・・という人も実は結構います。
手付金は戻る場合と戻らない場合があるんです。
この事実を理解してから契約をすればトラブルは避けるのですが、これを知らずに悩んでいる人も多いです。
そこで今回は契約時の手付金について解説していきます。
今回この記事を読むことでを手付金の戻る場合と戻らない場合についてわかります。
◇手付金は原則解約時には返金されない!
具体的に本当に手付金は返金されないのかという疑問が湧いてきます。
それでは今回の手付金の扱いについて解説していきます。
1.申込み金と手付金の違い
申込み金は中古マンション購入時にはあまりありませんが、新築マンションの購入時によくあります。
これは購入申込書と申込み金でお部屋を仮押さえするイメージとなっております。
この申し込みの状態で止める場合の申込み金は返金されます。
一方で、契約時の手付金は購入価格の一部となりますので、申込金とは異なる性質があります。
手付金は売買契約書を取り交わす時点で必要になる金額で基本的には返金されない金額となっております。
つまり、手付金には売主に対して保全の意味合いがあるのです。
ではこの契約締結後に何らかの事由による解約になった場合はこの金額の取扱いはどうなるのでしょうか?
2.手付金が没収される場合
一般的には手付金は返金されません。
「解約手付」といって、基本的には戻らない=没収されるということになります。
逆を言えば、契約書に署名押印し手付金は支払ったものの、いかなる理由でも一定期間は手付金を放棄することによって解約できるのです。
この時点では損害賠償を請求されることはありません。
これは、売主、買主双方に同じ権利があり、買主は手付金を放棄することですが、売主の場合はもらっている手付金を返金し、その同額の金額を支払うことによって解約することができます。
つまり、同条件のペナルティを負うという訳です。
ただし、この手付金解除は一定期間(1週間~2週間程度)として契約時の重要事項説明に期限が設定された期日までということで、この期日を過ぎた場合は違約金が発生することになります。
この違約金についても重要事項説明に記載されますが、今度は物件金額の10%や20%と手付金よりは高額な金額が設定されるケースが多いです。
3.手付金が返金される場合
3-1住宅ローン本審査却下の場合
住宅ローンの利用の際には基本的に事前審査がOKでないと契約行為が出来ません。
このケースは「ローン条項」といって、いわゆる住宅ローンの本審査が下りなかった場合です。
この場合は買主による解約となりますが、どちらかと金融機関の都合での解約ですから買主には非がないという扱いになります。
ただ、当然のことですが、契約時には住宅ローンの事前審査を通過しなくてはなりませんが、事前審査がOKでも稀に本審査で却下となることもあります。
理由としては、2つあります
・物件審査が却下・・・本人には問題がないが、物件が担保評価や違法建築でダメな場合
・団体信用生命保険不可・・・健康上の理由で団体信用生命に加入できない場合は本審査却下
これからの場合はローン条項によって、売主は受領済の金額を無利息で返金する義務があります。
ただし、本人の虚偽報告による本審査却下は原因が本人に帰属する為、手付金が返金されないケースがあります。
・事前審査時との収入が異なっていた・・・
・本審査時に借り入れがあったOR増えていた・・・
・本審査時に転職、現勤務先を退職していた・・・
3-2物件が何らかの理由で引渡しが困難な場合
購入不動産の引渡し前に何らかの事由(地震や火災)などにより物件自体に損傷があり、修復可能であれば修復対応しますが、倒壊など修復が困難な場合も同様に返金になります。
ここは、売主、買主双方に非はありませんが、契約行為の目的が達成できないのでこれも白紙に戻ることになります。
つまり手付金は返金となります。
このようにローン否決や地震などによる倒壊などはお客様の都合ではない場合は返金されるのが一般的な考え方です。
4.クーリングオフ制度はあるのか?
不動産売買時においてクーリングオフが適応されるには条件があります。
① 売主が不動産業者の場合。(売主が個人の場合は適応外。)
② 契約行為が不動産業者の事務所以外の場所で行われた場合。(買主の都合により買主の自宅で行われた場合を除く。)
③ 契約日より8日以内に手続きを行わなければ適用対象外。
5.まとめ
今回は手付金の取扱いについて解説致しました。
ポイントとしては個人的な都合での解約の場合は手付金の返金義務は生じないが、やむを得ない事情の場合の解約時には返金されるという事です。
注意点としてはローン条項でも買主が意図的にローンを通らないようにした場合(借り入れをしたり、勤務先を変更したり)はペナルティの対象となりますので行ってはいけません。
どんな場合でトラブル防止の為に、しっかりと決断をしてから契約行為を行いましょう。