大規模修繕工事を行う理由はなにかと考えたことないですか?
不具合があれば、都度直せばいいと考えている人も多いと思います。
実は大規模修繕工事は資産価値を維持するとう効果があるのです。
その効果を知らずに損をしている人も多くいます。
そこで今回は大規模修繕工事の理由と内容について簡単解説していきます。
この記事を読むことで、大規模修繕工事の必要性と内容についてわかります。
◇大規模修繕工事はマンションの資産価値維持の為に行う
具体的に本当に資産価値の維持の為に行うのかという疑問が湧いてきますので、今回の大規模修繕工事について簡単解説していきます。
1. 大規模修繕工事の内容と必要性とは
大規模修繕工事の必要性をひと言で言いますと、そのマンションの資産価値を維持する為の工事です。
鉄筋コンクリートで囲まれた強靭なマンションですが、やはり人間と同じように、年月が経過すると不具合が生じてきます。
特に、経年劣化が顕著に表れる部分は、外壁や屋根など屋外にさらされている箇所があります。
そして、ひび割れや塗装の劣化、防水処理の劣化などにより、外壁や屋根から雨水などが浸水する可能性も高くなります。
これによってコンクリート内部の鉄筋が錆びることによって建物の強度が弱くなってしまい、寿命を縮めることに繋がります。
寿命が縮む=資産価値低下を招くということになります。
また、それ以外にも、防水工事や外壁補修、シーリング工事、鉄部の塗装工事、給排水管工事などを行い建物全体の補修工事を行ないます。
その他、入居者が高齢化していく中でバリアフリー工事などのバリューアップを目的とした工事も行っていきます。
2. 修繕工事を行う箇所
具体的な修繕工事を行う場所としては下記があります。
・外壁・・・コンクリートの打診検査やタイルの貼り直し
・屋上・・・雨水や汚れなどからコンクリートを守る為の防水工事
・シーリング・・・外壁のつなぎ目やサッシ廻りに使用される多いシーリング材の打替え
・鉄部・・・バルコニーや階段手摺などの鉄の塗り直し
・バルコニー(共用スペースの為)・・・防水工事等
3. 大規模修繕工事の費用と周期
当然のことですが、工事の費用はマンションの規模よって異なります。
目安の金額としては、1住戸当たり100万円と言う金額です。
例えば、総戸数50戸のマンションなら5,000万円程度、100戸のマンションですと1億円というところです。
だだし、1回目より2回目、3回目と回数を重ねることにより費用が上がっていくのが一般的です。
これは当然ですが、建物の年数が経過するとによって、劣化状況が悪くなるので、対応箇所が増えていくという理屈です。
なお、3回目の工事には、「各戸のサッシや玄関扉の交換」や「専有部分の給排水管の更新」、「機械式駐車場の改修費用」などの大きな工事費用が加算されるケースが多くあります。
また、設計監理を外部のコンサルタントに外注する場合は別途費用が発生します。
ただ、これは、検査や工事方法を中立な立場の外部の専門家に任せることによってアドバイスがもらえ、結果的に工事費用が抑えられる場合などもあります。
また、大規模修繕工事の周期はマンションの状態にもよりますが、12年~15年程度に1度と計画されているマンションが多いようです。
4. 大規模修繕工事の費用負担はどこから出す?
大規模修繕工事の費用は、管理組合で積立している修繕積立金から捻出されることになります。
管理組合で修繕積立金を計画通りに徴収出来れば問題ないと思いますが、万が一修繕費用が足りない場合は、金融機関から借り入れを行うこともあります。
また、最悪の場合、居住者から一時金徴収なんてケースもありますので注意が必要です。
管理費や修繕積立金は残念ながらどこのマンションでも延滞金があります。
マンション規模によって異なりますが、数百万円単位の金額は普通にあるマンションも珍しくありません。
問題なのは、その方々に対して督促をしているかということになります。
真面目に支払っている方が、さらに追い金しなくてはならない状況は避けるべきです。
もし、それでも修繕積立金が足りないような事態でしたら、普段の修繕積立金では賄えないような事態は避けるために、修繕積立金の値上げもひとつの選択肢として考える必要もあります。
5. まとめ
今回は大規模修繕工事について解説してきました。
大規模修繕工事は自分たちの資産価値を維持する為の大切な修繕工事です。
人間と同じようにマンションも定期的に検査とメンテナンスを行いましょう。
金額についても相見積もりを取ることは、競争原理が働くのでいいと思いますが、決して安いというだけでの判断はしてはいけません。
資産価値を下げない為にも、費用をかけるところはかけて、しっかりと確実な工事を完了させましょう。